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海外FXは国内FXに比べてスプレッドは広め

スプレッドとは、通貨ペアごとに異なる買値と売値の差のことであり、いわゆる取引手数料のようなものになります。

狭い方が安くてお得にトレードができるとされ、基本的に国内業者より海外の業者は広めです。
この数値は一定ではなく常に変動し、平均と最低の数値を見て比較する必要があります。
業者によってスプレッドが違う
スプレッドは業者ごとに差があります。基本的には国内業者に比べて海外業者はスプレッドが広めです。
その理由は注文方式の違いによるもので、国内の業者はDD方式に対して海外の業者はNDD方式であるからです。

海外の業者はNDD方式のため間にディーラーがおらず、顧客の注文通りに実際の通貨を世界中の金融機関と売買するので、業者側が意図的に為替の差を発生させることができません。
そのため海外FX業者は、スプレッド(取引手数料)にて利益を得るしかありません。
一方で国内の業者はDD方式を採用しているため、トレーダーと金融機関の間にディーラーがおり、トレーダーの意図する内容で取引ができないこともあります。
この現象はスリッページと呼ばれ、トレーダーが指定した注文レートより不利なレートで約定してしまうことがあります。
DD方式の場合、トレーダーが損することで業者が儲かるため、スリッページでトレーダーが損した分は業者の利益になるのです。
海外FX業者も、まったく利益を出さないで運営することは不可能なので、そのためにスプレッドを広くして利益を得るしかないという事情があるのです。
とはいえ、NDD方式は約定までにかかる時間が短く、透明性も高いので、スプレッドの広さ以上のメリットがあると言えるでしょう。
海外FX業者にはスタンダードな口座よりスプレッドが狭い口座もある
スプレッドは口座タイプによっても異なりますが、多くの海外FX業者では基本となるスタンダードな口座とは別に、スプレッドが狭い口座を用意しています。
ただし、スプレッドを狭くすれば業者側の利益が確保しにくくなるため、スプレッドの狭い口座はボーナスがもらえないなどの制限があります。
また、スプレッドは通貨ペアによっても異なり、ドルやユーロなどメジャーなものになれば狭くなり、マイナーなものは広くなる傾向があります。
マイナーな通貨のスプレッドが広いのは、需要が小さくて取引量自体多くないため、その分負担する処理経費が高くなるためです。
スプレッドが広くなることを避けたい場合は、米ドルやユーロなどのメジャーな通貨でトレードするのがおすすめです。
ちなみに、海外の業者は豊富な通貨ペアや銘柄を扱っていますが、それは色んな通貨ペアで取引できることでトレーダーを増やし、スプレッドで利益を出すためでもあります。
一方で、国内の業者はDD方式を採用しているためディーラーが呑み行為などで利益を得ていることも可能で、スプレッドを狭くすることで利用者を増やしています。
以上のように、海外業者は国内の業者と比べてスプレッドが広いですが、その分「透明性の高いトレードが可能」「豪華なボーナスがある」など、スプレッドの広さをカバーするメリットが用意されています。
STP口座とECN口座

NDD取引は、ディーラーが介在せずにトレーダーが出した注文をインターバンク市場と結び付けるため、約定力が高くスピーディなのが特徴です。
さらにNDD取引の中には、STP方式とECN方式とがあり、海外業者の多くはSTP方式を採用したスタンダードな口座とECN方式を採用した口座を用意しています。
先述したスプレッドの狭い口座とは、ECN方式を採用した口座のことになります。
それぞれメリットとデメリットがありますので、理解した上で自分のトレードスタイルに合う口座を選ぶことが大切です。

STP口座(STP方式)
STP方式とは「Straight Through Processing」の略称で、トレーダー側の注文を業者を経由して提携する金融機関に流し、最も有利なレートを提示する金融機関を選び成立させるもの。
カバー先の金融機関が多いほど有利なレートを提示される可能性が高くなり、業者はその中の最も有利なレートを選別し、スプレッドを上乗せしてトレーダーに提示します。
ちなみに、処理はシステムによる電子操作なので、ディーラーによる意図的な操作はありません。
STP方式は、主に海外FX業者にとってスタンダードな口座で適用されることが多く、スプレッドは広めではありますが手数料を別途でとることはありません。
海外業者ならではの豪華なボーナスが適用されたり、最大レバレッジが高いなどのメリットも大きいです。
ECN口座(ECN方式)
ECN方式とは、電子取引所のインターバンク市場「Electric Communications Network」の英訳で、それぞれの頭文字を組み合わせて表記されています。
この仕組みは、トレーダーの注文をインターバンク市場に直接流して自動的にマッチングさせるというもので、一切トレーダーの注文に関わることがありません。
このため、最も公平で透明性が高く、上級トレーダーや大口投資家に人気があります。
トレーダーの注文をそのままインターバンク市場流すので、業者が上乗せすることがないためスプレッドは狭いですが、その代わりに業者はインターバンク市場への仲介手数料をトレーダーからもらうことで利益を出しています。
メリットは、板情報を見ながら取引ができることで、集まり具合などを確認して注文するタイミングを決めやすくなります。
また、約定拒否される心配がないので、安心して取引が行えます。
デメリットは、インターバンク市場に直接注文するため、最低入金額が高くなることです。
最低入金額が高くなると、まとまった資金が必要になるので、初心者には敷居が高く感じられるでしょう。
業者によって大きく異なりますが、最低でも100ドル、中には2000ドルといった高額な業者もあります。
また、ECN方式の口座(ECN口座)はボーナスの適用外であったりSTP口座に比べてレバレッジが低いなど、海外業者ならではのサービスが利用できないことが多いのも大きなデメリットです。
海外FX業社5社で比較!スタンダード口座のメイン通貨スプレッド

海外FX業者は、国内業者に比べてスプレッドが広めと言われています。
それは海外業者がNDD方式を採用しているからで、業者側が意図的に為替の差を発生させることができない代わりに、スプレッドを手数料として利益を出しているからです。
スプレッドは業者や口座の種類、通貨ペアによって異なりますが、まずはSTP方式を採用している「スタンダード口座」でメイン通貨ペアのスプレッドを比較してみました。
海外FX業者のスプレッドは変動制のため、平均スプレッドで比較していきます。
「XMTrading」「AXIORY」「TitanFX」「FBS」「Tradeview」の5社で比較
メジャーな通貨ペア6種で比較
「平均スプレッド」で比較
XMTrading
1社目はXMTrading。
スプレッドは下記の通りです。
スタンダード口座の平均スプレッド | |
---|---|
米ドル/円 | 1.6pips |
ユーロ/円 | 2.3pips |
英ポンド/円 | 3.5pips |
豪ドル/円 | 3.3pips |
ユーロ/米ドル | 1.7pips |
英ポンド/米ドル | 2.4pips |
メジャーな通貨ほど狭くなる印象ですが、全体的にXMTradingのスプレッドは広めの印象です。
AXIORY
2社目のAXIORY。
スプレッドは下記の通りです。
スタンダード口座の平均スプレッド | |
---|---|
米ドル/円 | 1.4pips |
ユーロ/円 | 1.4pips |
英ポンド/円 | 1.8pips |
豪ドル/円 | 1.8pips |
ユーロ/米ドル | 1.2pips |
英ポンド/米ドル | 1.4pips |
常時ボーナス※はなく、その分スプレッドを狭くしている海外業者で、XMTradingと比較すると全体的に狭くなっています。
※期間限定のキャンペーンボーナスを開催することはあります。
TitanFX
3社目はTitanFX。
スプレッドは下記の通りです。
スタンダード口座の平均スプレッド | |
---|---|
米ドル/円 | 1.33pips |
ユーロ/円 | 1.74pips |
英ポンド/円 | 2.45pips |
豪ドル/円 | 2.12pips |
ユーロ/米ドル | 1.2pips |
英ポンド/米ドル | 1.57pips |
TitanFXもスプレッドが狭い分、ボーナスがないことで知られる海外FX業者です。
FBS
4社目はFBS。
スプレッドは下記の通りです。
スタンダード口座の平均スプレッド | |
---|---|
米ドル/円 | 2.0pips |
ユーロ/円 | 3.0pips |
英ポンド/円 | 4.0pips |
豪ドル/円 | 3.0pips |
ユーロ/米ドル | 1.1pips |
英ポンド/米ドル | 0.9pips |
FBSは通貨ペアによりスプレッドの差が大きく、「英ポンド/米ドル」といった一部通貨ペアで、ENC口座よりもスタンダード口座のほうが狭くなるという逆転現象が起こることがあります。
Tradeview
5社目はTradeview。
スプレッドは下記の通りです。
スタンダード口座の平均スプレッド | |
---|---|
米ドル/円 | 1.8pips |
ユーロ/円 | 1.9pips |
英ポンド/円 | 2.2pips |
豪ドル/円 | 2.6pips |
ユーロ/米ドル | 1.7pips |
英ポンド/米ドル | 2.0pips |
Tradeviewもスタンダード口座ではスプレッドが広い印象です。
海外FX業社5社で比較!ECN口座のメイン通貨スプレッド

ECN口座は、スタンダード口座に比べるとスプレッドが狭い傾向があります。
その代わりに取引手数料が別に発生しますので、スプレッドと取引手数料を合わせてトータルで取引コストを比べる必要があります。
そのため比較表は、平均スプレッドに往復の手数料を加算した実質スプレッドで記載しています。
「XMTrading」「AXIORY」「TitanFX」「FBS」「Tradeview」の5社で比較
メジャーな通貨ペア6種で比較
「実質スプレッド」で比較
XMTrading
XMTradingは「Zero口座」がECN口座に該当します。
スプレッドは下記の通りです。
ECN口座の平均スプレッド ※往復手数料を加算した数値で記載しています。 | |
---|---|
往復手数料 (加算pips) | 10ドル (1.0pips) |
米ドル/円 | 1.1pips |
ユーロ/円 | 1.4pips |
英ポンド/円 | 1.2pips |
豪ドル/円 | 1.2pips |
ユーロ/米ドル | 1.1pips |
英ポンド/米ドル | 1.3pips |
XMTradingは3000円の口座開設ボーナスや100%+20%入金ボーナスが魅力の業者ですが、「Zero口座」ではボーナス適用外になります。
AXIORY
Axioryは「ナノスプレッド口座」がECN口座に該当します。
スプレッドは下記の通りです。
ECN口座の平均スプレッド ※往復手数料を加算した数値で記載しています。 | |
---|---|
往復手数料 (加算pips) | 6ドル (0.6pips) |
米ドル/円 | 1.0pips |
ユーロ/円 | 1.0pips |
英ポンド/円 | 1.4pips |
豪ドル/円 | 1.2pips |
ユーロ/米ドル | 0.8pips |
英ポンド/米ドル | 1.0pips |
比較的手数料が安く、元々常時ボーナスを設定していない業者のため、大きなデメリットは感じられない印象です。
TitanFX
TitanFXは「Zeroブレード口座」がECN口座に該当します。
スプレッドは下記の通りです。
ECN口座の平均スプレッド ※往復手数料を加算した数値で記載しています。 | |
---|---|
往復手数料 (加算pips) | 7ドル (0.7pips) |
米ドル/円 | 1.03pips |
ユーロ/円 | 1.44pips |
英ポンド/円 | 2.15pips |
豪ドル/円 | 1.82pips |
ユーロ/米ドル | 0.9pips |
英ポンド/米ドル | 1.27 pips |
こちらも元々ボーナスがない業者なので、ECN口座だからボーナスが受け取れないというデメリットはありません。
FBS
FBSはそのままの「ECN口座」が該当します。
スプレッドは下記の通りです。
ECN口座の平均スプレッド ※往復手数料を加算した数値で記載しています。 | |
---|---|
往復手数料 (加算pips) | 6ドル (0.6pips) |
米ドル/円 | 0.9pips |
ユーロ/円 | 1.1pips |
英ポンド/円 | 1.7pips |
豪ドル/円 | 1.1pips |
ユーロ/米ドル | 0.6pips |
英ポンド/米ドル | 1.1pips |
スタンダード口座に比べてグッと狭くなりますが、最大レバレッジはスタンダード口座で最大3000倍、ECN口座になると最大500倍になってしまいます。
Tradeview
Tradeviewは「ILC口座」がECN口座に該当します。
スプレッドは下記の通りです。
ECN口座の平均スプレッド ※往復手数料を加算した数値で記載しています。 | |
---|---|
往復手数料 (加算pips) | 5ドル (0.5pips) |
米ドル/円 | 0.6pips |
ユーロ/円 | 0.9pips |
英ポンド/円 | 1.0pips |
豪ドル/円 | 1.0pips |
ユーロ/米ドル | 0.7pips |
英ポンド/米ドル | 1.0pips |
Tradeviewもスタンダード口座に比べてECN口座はかなりスプレッドが狭くなり、手数料も安いですが、最低入金額が1000ドルになります。
海外FXのスプレッドまとめ

DD方式で取引を行う国内業者に対し、海外FX業者はNDD取引となるため、スプレッドが広めに設定されています。
スプレッドは業者や通貨ペアによっても異なり、比較的マイナーな通貨ペアは需要が少なく取引量が少ないためスプレッドが広くなる傾向があります。
スプレッドを狭くしたECN口座もありますが、取引手数料が別に設定されているので、スプレッドと手数料を合わせた実質スプレッドで比較する必要があります。
また、ECN口座はスタンダード口座で受け取れるボーナスが適応外であったり、最大レバレッジが低く設定されるなど、大きなデメリットも存在します。
それでもECN口座は、板情報を見ながら取引でき、約定拒否が起こらない透明性の高いトレードができるといった魅力があり、大口で取引をするトレーダーや上級トレーダーに人気です。
海外業者のスプレッドは変動制で常に変動して一定の数値ではないことを認識し、取引をする前には最新の情報を確かめて決めることが重要です。
以上のように、スプレッドは国内の業者よりも広めですが、海外業者にはそれを超えるメリットも多く、スプレッドの狭いECN口座も用意されています。
ECN口座は上級トレーダーに人気と述べましたが、初心者はボーナスなどのサービスが受けられるスタンダード口座がおすすめです。
特に口座開設ボーナスのあるスタンダード口座なら、ボーナスを利用してトレードに慣れる練習にもなり、これから海外FXを始めたいという人に最適ではないでしょうか。
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